谷川俊太郎さんに、
詩人・蜂飼耳さんがインタビューで迫る90分。
谷川さん自身の「朗読」やお二人の楽しい対話に
終始、満席の会場を笑い声が包んでいました。
今年書き下ろしされた2冊の詩集。
意外にもこれまで谷川さんの書き下ろし詩集は
刊行されていなかったとのことでした。
谷川俊太郎さん曰く。
これまで注文を受けて詩をつくってきたけれど
このところめっきり注文が少なくなったので
自分から詩をつくっていたんですよ。
いま詩をつくっている時間が、いちばん楽しいんですよ。
詩をつくってきてよかったと思うんですよ。
もちろん注文を受けて詩をつくるのも楽しかったんですよ!
これは、僭越ながら定年退職後の生活についての
わたしの感慨ととても通じるものがあります。
制約がない中で
好きなことを自由にしているご自分を谷川さんも楽しんでいるようです。
私は、谷川さんの作品とは知らずに
これまで多くの作品に浸ってきていたことに気づきました。
それはいわゆる「詩」ではありません。
鉄腕アトムの主題歌であったり
「スイミー」や「スヌーピー」などの翻訳作品をふくむ多くの絵本でした。
そして気がつくと「詩」よりも先に
人間・谷川俊太郎さんが、私の視界にあらわれてきました。
年齢を感じさせない発言や
私たちにたいする振る舞い方とか気遣いなどが
とても魅力的で、いつのまにか惹きつけられていたのでした。
先ず人間・谷川俊太郎さんに魅力を感じて
次に「詩」に惹かれるという順番です。
社会的存在である「文学」に対し、「詩」は宇宙的存在である。
「文学」とちがい「詩」は、歴史から取り残されるもの。
「詩」は、「いま、ここ」しかないものであるとのお話もありました。
このあたりのことが、
私が谷川さんの「詩」に惹きつけられている理由なのでしょう。
今日も幸せ
明日も幸せ。
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